久し振りに、坂本真綾さんのミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~」を観て来ました。劇場は池袋の東京建物 Brillia HALL。大楽の前日です。
この愛すべきミュージカルは坂本真綾さんと井上芳雄さんの二人芝居。芸達者二人による濃密な時空間が展開されます。
初演は2012年。シアタークリエ。今回が5度目の公演です。前回の2017年はチケットが取れませんでしたので、自分としては6年ぶりのダディ・ロング・レッグズでした。
このミュージカルは20回くらいは観に行っているのですが、回を重ねるごとに少しずつ変更が有り、かつ、坂本真綾さんは常に最善を尽くし続ける性分の方なので、同じ舞台は二度と有りません。ファンとしてはいつも楽しみである一方で、自分の観ていない所でどんな芝居をしたんだろうと気になるところでも有ります。
東宝演劇において、井上芳雄さんの人気は絶大です。初演時は、初主演であった真綾さんが、ミュージカルプリンス芳雄さんの胸を借りるような感じでした。シアタークリエの観客層も、ほとんどが芳雄さん目当てのおばちゃま達でした。マチネとかソワレとか言っているような方々です。或るおばちゃまがパンフを観ながら憎々しげに「アニメ女優!」と呟いていた事を思い出します。
坂本真綾さんはこのミュージカルの演技が認められ、2012年の菊田一夫演劇賞を受賞しました。これはなかなかの賞なのです。観てる人はちゃんと観てくれているものです。
久し振りのジルーシャとジャーヴィスは、以前にも増して音楽性の高い舞台を造りあげていました。観る方も集中していますから、休憩をはさんだ長い舞台も、あっという間に終わってしまいました。
以前の客層と較べると、おばちゃま達が減り、20代から40代くらいの女性客が大半でした。勿論井上芳雄さんのファンもたくさん居るのでしょうが、確実に真綾さんのジルーシャが観たくて来ている客層が増えている印象を持ちました。
ただでさえ芳雄さんのファンの方々は熱心なのに、真綾さんのファン達の多くもミュージカルぐらい観に来れる財力を身に付けたと言う事でしょうか。この分ではチケット取るのは益々難しくなりそうです。(今年の全公演完売だそうです。)
終わりにカーテンコールが有りますが、今回自然に全員が立ち上がり、スタンディングオベーションとなりました。真綾さんにしてあげられる事はあまり有りませんが、今日のスタンディングが真綾さん、芳雄さんの心に届いた事を祈りたいと思います。
素晴らしい舞台でした。自分も頑張ろう。