漫画専門誌ぱふにて、手塚治虫先生の特集が組まれた際、僕の特集なんて10年遅いよ。息子は吾妻ひでおの漫画ばかり読んでる。みたいな事を語っていらっしゃったのを思い出します。
少年ジャンプとかに描いている漫画家さんは凄いです。それは純粋に単位時間内の作業量が凄いのであって、絵とか発想とかで負けている気は特にしません。でも、吾妻ひでお先生には、かなわない。今でもそう思います。
冷静に観てみると、吾妻先生の絵はけっこう破綻が有り、そんなに巧い絵には見えません。でも、抗しがたい魅力が有ります。誰にも真似の出来ない、まさにセンスオブワンダーの世界。
手塚先生の七色いんこでは、吾妻ひでお先生と宿敵のいしかわじゅん氏(劇中では女性)が結婚する話が有り、吾妻先生のキャラクターが皆に愛されていた事が伺えます。
安彦良和先生も、最初の画集で吾妻先生と対談し、ともに北海道出身という事で盛り上がっていました。
吾妻先生の全盛期は、多分80年代頃でしょう。なかなか良い時代でした。その後、失踪するもそれをネタにホームレス漫画を描くと言う前人未踏の偉業を達成するなど、天才ぶりを発揮し続けました。
もう、吾妻先生はいないのだなと思うと、寂しさを感じます。中学生の頃、吾妻先生に年賀状を出したら、サインの入った返信が来た事が有りました。とても嬉しかった事を思い出します。