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本をよく読む子供だった自分は、多くの読書マニアの一度は通る道という所でしょうか、ロシア文学に少しはまりました。最初にドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を読んでロシアの文化に興味を持ち、チェーホフのかもめですっかりやられてしまいました。この戯曲は、まるで自分だけの為に書かれたものなのではないかと思っていたくらいに心酔していたのです。
先日、自分が芝居の勉強をしていた頃の仲間の一人が、チェーホフの熊に出ると聞いて観てきました。熊と言えば彼女が演じるのは美しい未亡人の役!しかもラストシーンで接吻もあった筈。何よりチェーホフと言えば長台詞。果たして彼女は自分の本分を尽くす事が出来るのでしょうか?
心配した通り、彼女のお芝居は映画女優並みと言うわけには行きませんでした。でも、自分の中にかつてあったロシア文学の世界がよみがえってきて、個人的には極めて感無量でした。
ロシアと言えばロシア料理。そしてロシアンティー。ロシアは大英帝国を凌ぐ紅茶消費国なのです。ロシアンティーは本来、サモワールと言うティーサーバーで淹れて、スプーンのジャムを舐めつつ楽しむものだったようです。しかし今では炭か松ぼっくり等の燃料を必要とするサモワールはロシアでも過去のものになってしまっているようで、少し残念です。
サモワール自体は、中古ならヤフオクなどで入手可能です。いつの日かサモワールでロシアンティーを淹れて楽しみ、共に芸術を語れる仲間や家族が居ると良いなあと、そういう幻想を久しぶりにしました。